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新年のごあいさつ

 最初に、私どもの財団、その前身のNPOから、理事として顧問としてともに歩んできた、私どもの師であった今田忠さんが昨年11月に永眠されました。謹んでご冥福をお祈りいたします。今田さんは、私どもが推進する寄付や利他的な行動や社会のあり方、すなわち「フィランソロピー」を日本に紹介した先達でした。また、「シビル・ソサエテイ」、市民社会の実現を理論面と実践面の両面から追及し続けた尊敬すべき師でした。今田さんのこれまでの功績と教導に感謝しつつ、その志を継いでいくことをお誓い申し上げます。

 新年を迎え、未来を切り開く鍵は共感し共存しようとする意志にあると、改めて思います。

世界では「対立」と「分断」、「一触即発」の情勢が続いています。日本でも「生命軽視」「自己利益優先」などの犯罪や旧弊が後を絶ちません。このような不安な情勢において、人間がこれからも「種の繁栄」という生物としてのミッションを全うできるとするならば、その鍵は「共存の意志」にあるのではないでしょうか。

 昨年、弊財団では、新たに「チャンピオン・オブ・チェンジ」を米国フィッシュ・ファミリー財団とともにスタートさせました。人権やいのちを尊重するソーシャルチェンジを、地道に果敢かつ真摯に続けている日本の女性リーダーを顕彰する表彰制度です。日本大賞となった高橋亜美さん(ゆずりは 所長)をはじめ、ファイナリストの方々、応募いただいた145名の皆さん、いずれも「変革は辺境から起こる」ことを確信させる勇気ある活動であり、「一隅を照らす」凛々しい営みでした。

 こうした人々に出会うたびに、「共存の意志」をつなごうという勇気が湧いてきます。私たちのすぐ傍らで、額に汗し、目をきらきらと輝かせ挑戦しているのです。誰かの生命を本気で支えてくれています。このような暗雲を切り裂く、温かな陽の光のような人々の活動に、多くの人が共感し、賛同の輪が拡がるような社会を目指したいと改めて思いました。

 2018年、弊財団は、NPO設立から18年、公益財団として5年目を迎えます。私どものチャレンジはさらに続きます。「意志ある寄付」は、共存の社会、すなわち「フィランソロピー社会」を創ります。パブリックリソース財団は、「フィランソロピー社会」のプロデューサーとして皆さんとともに在りたいと思います。

 本年も格別のご支援を賜りますよう、お願い申し上げます。

2018年1月

公益財団法人 パブリックリソース財団 代表理事 理事長  久住 剛 代表理事 専務理事 岸本 幸子

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